誕生の歴史
現在では、独立した資格として存在している「歯科衛生士」ですが、歯科衛生士資格が誕生するまでは、歯科医師がその役割も兼任しておこなってきたという背景をもっています。
正式に歯科衛生士が誕生することになったきっかけとしては、第二次世界大戦の終了後、アメリカなど連合国の指導に基づいて、国内の公衆衛生について改善することを目的として始まったことになります。
1947年に、保健所法の改正が行われたことで、保健所の業務に歯科衛生が取り入れられることとなりました。保健所に勤務している歯科衛生士たちの業務内容としては、虫歯にならないよう多くの人に知識を広める予防歯科に関する職務や、歯科保健指導などがメインとしておこなわれてきました。
1948年に歯科衛生士法が正式に制定され、1955年に業務内容に歯科治療に関する補助業務が追加、さらに1989年に業務内容の一つとして歯科保健指導が加えられたことによって、歯科衛生士の仕事の幅はさらなる広がり、現在に至っています。
現在では毎年7,000人以上の資格合格者を輩出するような人気の国家資格となっています。
歯科衛生士の活躍の場も増え、一般的な歯科クリニックのほか各種介護施設など、身体に不自由のある方が多く入居する施設においても口腔環境を清潔に保つための指導などがおこなわれ、常勤勤務している歯科衛生士も増加しています。以前までは、法律で女性のみが取得できる資格とされていましたが、法改正によって男性でも取得できるようになってからは、男性歯科衛生士も増加傾向にあります。